フラメンコ大好きSakuraのBLOG

フラメンコ歴だけは無駄に長いSakuraがフラメンコの感動を綴ります。たまに別の観劇記録もはさまります。最近書き始めたばかりの手前勝手な鑑賞記録です。

フラメンコルネッサンス21新人公演2017(3日目)

8月20日(日)新人公演2017(3日目)

さすがに3日目ともなると疲労の色も濃くなってくるが、そんな観るほうの事情など軽く吹っ飛ばしてくれる上質で濃厚な時間がこの日も連続で!
この日は長年の友人である山内佳代子さんが出場する。いったいどんな踊りを見せてくれるのか。
カンテ13名、バイレソロ24名、+エキシビション

以下、走り書きメモより。


(カンテ)

深谷恵子 マラゲーニャ:深い響く声。声量のあるタイプ。オレー。
山田裕子 シギリージャ イ カバル:エンリケさんのギターがいい。華やかなパッセージに耳が渦。カンテ、臼を引いているかのような右手の動き。粘っこさが出る。抑揚のある計算された音。マイクの使い方がうまいのか、きんきんせず、揺れが深く出てステキ。好きな声。あの華奢な身体から出ているとは思えない濁声がいい。ギター花丸。

 

(バイレ・ソロ)

相田良子 ソレア:鋭い視線。非常に音感が良い。川島さんのハレオ、盛り上がるなあ。重量感のある下半身、揺れない上半身◎。素直な正統派。ラインが美しい。

伊藤千紘 シギリージャ:ゆっくりとしてみなぎるテンション。めりはり。世界観のある踊り。ギタータパからラストへ向けてのエネルギー、爆発。

齋藤朋之 タラント:無駄な動きの無さ。ヴァイオリンとサパテアードの掛け合いがウキウキ♪ なんともリズミカル。音楽隊との一体感グー。こっちが踊り出したくなるようなタンゴ。たっのしー♪ 休憩前に大いに盛り上がった。

 
堅正はるか タラント:後ろで一本の三つ編み。物凄い音を立てるサパテアード。とにかく馬力のある踊り。腰の強さ。

 

久貝輝代 アレグリアス:椅子に腰かけて始まる。赤いベロアのバタデコーラにピンクベージュのマントンの配色がセンス良くて好き。形が美しい。ハデさはなくともどんな形もぴたりと決まってゆく。欲しい表情を的確にくれる感じ。綺麗~♡ 赤のサパトスがまたステキ。バタのボランテ部分が真っ赤な薔薇の花片のように見えた。斜めに倒れる身体の角度も美しい。美の法則を身体に備えている人。なんか音楽隊、えらくノリがいいと思ったら三枝雄輔のパルマ。2日目の連続パルマは凄かったなあ。

 

佐藤陽美 ソレア・ポル・ブレリア:足腰が強く、サパテアードの音が鋭く的確。若々しいメリハリ。エネルギーの伝わってくる舞台。三枝雄輔のパルマとの掛け合いもナイス。

 

津田可奈 シギリージャ:エメラルドグリーン一色。フレコもグリーン。のっけから目を奪われる雄弁な肢体。シギリージャの本質を見せつけられたような気持ち。

 

久保田晴菜 ソレア:黒一色フレコ付き。上背のある人で似合うが、若そうなのでもう少し若々しい衣装にしたら、もっと良かったのではとか余計なお世話なことを思ったけど、単純に趣味の問題かも。三枝雄輔さんがまた素晴らしいパルマ。踊りはシンプルで純粋。正統派、なのにものすごいエネルギーが発散されて圧倒される。音楽と三位一体で非常にバランスのいい舞台だった。しかし踊りが終わった後、ロビーでもこの人を見かけるたび、どこかで会った気がする会った気がすると思い続けていたら、友人のひと言でわかった。ガルロチだ……!! わあ!

 

津幡友紀 ロマンセ:スペインの活きのいいおかあちゃんのよう。いったい何枚重ね着してるんだという感じの重たさ。存在感。生活感あふれながら、人生をつかみ取ってゆうく確かさ。自信。説得力。力強さ。

 

山内佳代子 アレグリアス:身内なのでまったく冷静に観ていられない。それでもメモは取った。ピスタチオグリーンにピンクのフレコ。初めて見る取り合わせ。これが目にも鮮やかに焼きついて、へーっとなったところに、なんと靴紐までピスタチオグリーン! おそろいだ、おしゃれ!! 当人に訊いたところ、直前まで靴紐の色をどうしようか迷っていたらしい。これで正解! もともと細い人なのだが、ずいぶんすらりと背が高く見えるすとんとしたマーメイドライン。凛として見える。お姫様のようにキラキラしてたね。失礼ながら、これほど大舞台で映える人だとは思わなかった。線が細くて、ややもすれば硬い印象の頃もあったのだ。なのに、この日のアレグリアスは柔らかく華やかだった。なんといってもあの笑顔。笑顔苦手な人かしらと勝手に思っててごめんなさい。身びいきは置いておいても、超美人だった…! ピスタチオグリーンの衣装が、他の人にはない色で、ものすごく目立っていた。舞台構成も音楽もとてもよく練られていて、ドラマ仕立てになっていて、ものすごく考えて完成させたんだなあと、去年抽選に外れてからの彼女のショックと、そこから立ち直るまでに費やした時間と折れた心の数とか思って、じわじわ。同じパセオライターの先輩も、色っぽいのに男前とか工夫があったとか褒めてくださって、我が事のように嬉しくなってまた目頭を熱くするワタクシ。

本当にあっという間だった。この時間まで待つのは大変だったと思うけど、私にとってはありがたかったかも。感動して泣いちゃって、もうその後は泣きっぱなしでたぶん観ていられなかったから。ふー。終わったら両手が冷たくなってた。自分のほうが緊張しちゃってて情けない。やっぱり彼女のアレグリアスをずうっとずうっと見つめ続けてきたからかなあ。その素晴らしい完成形に出くわして、思いもよらず揺らされちゃったのかも。終演後、ロビーで会ってるときもずっと泣いてた。なんか自分でもこんなに泣くとは思わず、自分で自分に圧倒されてた。失礼。年を取ると涙もろ……もにょもにょ。


これでフラメンコの祭典『新人公演』三日間、すべて拝見して終了しました! たくさんの情熱、努力、奇跡の集中力に出会して、感動の三日間でした!
それぞれの時間、それぞれのドラマ、ですね。
ずっと応援してきた友だちの舞台に感動して、終わってもしばらくボロ泣きで頭痛くなった私でした。

打ち上げの席でも一緒できてよかったよ~~~。てか、いきなりの蕎麦屋、最高でしたね。閉店まで時間がなくてもがっつり美味しくておしゃれなもの食べてました私たち。

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ザクロの西京焼とかサイコー。遅くまで入らせてくれてありがとさんでした。今度ゆっくり食べに来たくなった、こちらも素敵な出会いでございました。たぶんココ

 

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昨夜はパセオフラメンコの仲間たちともフラメンコ愛を語り合えて良かった。

新人公演、参加した皆さん、関係者の皆さん、応援に駆けつけた観客の皆さん、本当に三日間おつかれさまでした! 例年はものすごく暑いんですが、今年はちょっと東京は涼しげでまだ楽でしたかね。
それでも疲れたことでしょう。いろいろ語り尽くしたい気もしますが、また改めて。
そろそろ結果も発表になる頃かな。しかし二日目のメモをアップするまで見ないぞ。
それにしてもレベルの高い舞台の連続でした。本気で圧倒されっぱなしでした。なんといっても音楽の素晴らしさ。最高峰のアルティスタたちのフラメンコ音楽を間近で何曲も何曲も聴ける、最高峰のパルメイロの音に浸れる、最高峰のギタリストの爪弾くギターの細かいパッセージに心を震わせられる…、こんな充実した時間もないでしょう。
も~~、ありがとう、フラメンコ!! だね!