フラメンコ大好きSakuraのBLOG

フラメンコ歴だけは無駄に長いSakuraがフラメンコの感動を綴ります。たまに別の観劇記録もはさまります。最近書き始めたばかりの手前勝手な鑑賞記録です。

フラメンコルネッサンス21新人公演2017(2日目)

8月19日(土)フラメンコ新人公演2017(2日目)

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舞台に向かっておじぎしたいほど、素晴らしいギター、バイレソロの連続。 

はっきり言って今日は体力を使い果たした。
発散され、こちらにぶつけられてくるエネルギーがあまりにも素晴らしかったから!
最後の踊りが終わって席を立つときに呟いたのは「疲れた…」。
魂の最後の一滴までも搾り取られてしまった。そんな印象。
音楽も踊りも、本当に高度なものをみせていただいた。

たぶん、短い時間では書き切れない。

メモも取り過ぎて、ただでも腱鞘炎の右腕が悪化してしまいましたよ~。
いやはや凄かった。

 

(ギター)

森谷 忍 シギリージャ:第一音から華やか。流れるせせらぎみたいに詩情のあるギター。独創的なカデンツァ。創作的。アルハンブラにいるみたい。すてき♡ ドラマがあるなあ。キレーイ。まじで幻影が見える。

 

池川忠洋 ロンデーニャ:まぁるい水紋。深みのある音が心地良い。巧さを感じさせる。テクニシャン。鋭さが増した感じ。

 

(バイレ・ソロ)

小嶋智子のティエント:始まりの立ち方、見据え方、非常に勇ましかった。タンゴへの切り替えの時の照明、秀逸。


服部亜希子のシギリージャ:始まりのサパテアードが非常に良い。重々しい。顔の表情が見えやすくはっきりしている。

菊池真由美のシギリージャ:エル・プラテアオの歌声、いいな。体軸のぶれない人。音楽に踊りがぴたっとハマッている。ヅカの男役みたい。カッキー♡ ギターの軽やかなトレモロ。音と詩。踊りに意味が生まれてくる。サパテアード一つ一つが意味を持ち、くっきりとしたドラマが生まれてゆく瞬間を見る。

 

佐藤幸子のアレグリアス:明るい表情で大きな動きが小気味いい。元気。自分の世界を持ち、音楽を支配している感じ。音楽隊との相性も良い。日本人カンテが素晴らしいなと思っていて、後でパンフ見たら、エンリケ坂井さんだったという衝撃…!

 

有田ゆうきのソレア:素晴らしい入り方。申し分ない所作の重み。激しい動きと静かな動きとの両方ができる人。睨めつける目も良かった。アイレがあった。ここでも三枝雄輔の応援する魂が入りこんだパルマが凄い。ハレの舞台となる。有田圭輔さんのカンテも本当に素敵。そんな音楽隊へのリスペクトをしっかりと感じ取れる踊り。確実なサパテアード。ラスト、土をつかんで投げるような仕草。幸せをもらった感じ。好きでした。

 

平山奈穂のソレア:白と黒が混在するドラマティックな衣装。華やかでありながらどっしりと重たいソレア。音楽を引っぱる支配力。強い意志を感じる。ステージを横に移動するときの滑らかさ。静と動のバランスがいい。うわー、ついていきたくなる! 姉御!(って何だこのメモ?笑) 安定。赤に背景が切り替わると、衣装のアンダーの白が真っ赤に染まって見える。効果的な衣装。計算され尽くした舞台。まさに公演! マノの柔らかさ。くっきりと音が分かれて聞こえてくる見事なサパテアード。往年のスペイン人名バイレのようで、いつまでも心に残った。

 

内田好美のソレア・ポル・ブレリア:所作が大きく見映えがする。ドラマティックな表現力。カンテ凄い。エミリオー♪ 三枝雄輔さんはいったい今日何度目だ。凄い凄い。無音からサパテアドの音のみ、ギターのタパが絡んでいくシーンがあって迫力。ラストの去り方も美しかった!

 

鈴木雪花のシギリージャ:マヌエルの声が響きわたる中、ゆっくり光のスポット部分へ歩いてくる。洞窟の中、一筋の月の明かりの輪の中へ入ってゆくかのような演出。そしてドラマティックなサパテアード。カンテと靴音だけ。非常な集中力。ねばりつくような重さでエミリオのギターと会話している。いや楽しげ。オレー。

 

 山本由紀のペテネーラ:姿勢の美しさ。しなやかな柔軟性のある身体。パリージョが確実。演出が効いている。完璧な形。滝本正信さんのカンテいい、激シブ! 一つの完成された踊りを観た気分。

 

小河由里子のソレア:茶系の一風変わった衣装。川島桂子さんの声が悲哀をもって届く。これまた腕を上げるだけで世界を支配した。まさにソレアの始まり。貫禄さえ漂うゆったりとした動き。静けさにおける集中力。ソレアはこれがないと踊れない。川島桂子さんの声がとても合っている気がした。映画みたい。サパテアードも音楽的。奇をてらわずソレアを表現してゆく。実力者の風格。三枝雄輔さんが笑う。呼応する。音楽隊とのチーム感がとても素敵。三人を従えてびくともしない軸。なんという安定力。ブラッソの表現。日本人では初めて見た気がする。

 

寺島いずみのティエント:すてきな始まり方。ボランテが細かくて華やか。ティエントは赤も合うな。川島桂子さんをはじめとした後ろが楽しそう。タンゴの動きもねばっこくていい。ラストまで色っぽいー。

 

竹村歩のソレア・ポル・ブレリア:黒地に赤の大きな水玉。フレコの数はこのくらいがいい。今年もフレコは多かったが、なかには長すぎる多すぎるという場合も多く、顔にかかったり、せっかくのラインを隠したりと、ちょっと気になることもあったので。うまいねエとしみじみ。なんかギターサイコー。そのギターの音をそのまま自分で弾いてるかのようなバイレ。赤い服のせいか、ギターの赤っぽさと重なった。小柄な身体を自在に使いまくり。真に音楽的な感度の高い身体。マヌエル・タニェもエミリオ・マジャも三枝雄輔も、音楽隊がぜったいノッてる。陽のバイレ。生理的に気持ちいい。こういうのはもう、持って生まれたものだろう。真似はできない。けっこーシンプルなのに、なんじゃあこりゃあってくらい、とにかく快感。うーん、気持ちいい。

 

黒木珠美のソレア:きらめく素材を多様した黒の衣装。11段ボランテで豪華。一輪の赤い花が黒と対照的でいい。踊り慣れているなと思うのは腰が強いせいか。溜め息が出るほど完璧なソレア。ステージに詩がある。アイレがあふれている。とても完成度の高い舞台。